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身体考9

  • 執筆者の写真: keikouto59
    keikouto59
  • 2021年6月11日
  • 読了時間: 3分

なかなか時間が取れなかったのですが久しぶりに書けるようになりました。

私も含めて皆さんこの長く続くコロナ禍で持ちこたえていた自律神経もバテバテになっているように思います。


実際、人の身体がストレスを感じるとどういった反応を示すのでしょうか。

ストレスを感じるのは大脳辺縁系や大脳新皮質系で察知すると視床下部から二つの経路で指令が出ます。一つは神経伝達物質を介して交感神経系に指令を出し、副腎髄質からアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌する経路になります。この経路の反応は早く、心機能を高め筋骨格系への血流を高めると同時に消化器系への血流を低下させます。


二つ目の経路は視床下部から副腎皮質ホルモン放出ホルモンが分泌され下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが分泌そして副腎皮質からコルチゾールが分泌されることで血糖値の上昇、血液粘性の増大、免疫の低下も起こります。

そして、慢性的なストレス状態が続くと副腎は肥大し、胸腺はリンパ節の萎縮、胃の粘膜の炎症(ひどいと胃潰瘍)といったストレス性の退行変化を起こしていきます。


特にストレスが起きると問題となるのが消化器系への影響です。

胃の消化能力が低下するとたんぱく質が消化、吸収もできなくなります。

たんぱく質は酵素の材料になるため不足すると消化酵素や代謝酵素の合成能力が低下してしまいます。たんぱく質は体内から様々な方法で合成されるため摂取量が多少減ったところですぐに体調に直結することはありませんが、それが慢性化すると筋力低下やエネルギー合成能力の低下、解毒能力の低下につながるので、慢性的な疲労やメンタルが不安定になってしまいます。特に高齢になってくるとたんぱく質摂取不足は、セロトニン(幸せホルモン)メラトニン(睡眠ホルモン)の合成にも影響してくるので、夜間の不安の増大に伴って痛みを訴えるケースも少なくありません。

また、副腎からの血糖上昇に加えストレス性に過食に陥っても血糖調整障害が助長していきます。急な血糖の上昇後の低血糖から腰痛が一時的に増悪するケースもあるので注意が必要です。


このような状況が起こる中で特に思い当たることないにも関わらず急に腰痛、下肢痛、腕、肩の痛みが起こってきます。ですがそれはその痛みの発生している部位が悪いのではなく底辺にはストレスにさらされ機能低下した自律神経系の働きが問題なのです。ですからそれらを改善するには、まずは自律神経系を活性化させることが大切です。


針治療は古来、体表のツボ使った自律神経系を介したWHOでも認められている刺激療法でとても有効な方法だと私は思います。

 
 
 

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